座面の中心は太陽(陽)と月(陰)から始まり、曲線に沿って24時刻を描く。陰陽これも古代の思想だが、当たり前のことに形や意味、名前を与えてきた人類史の一里塚だ。
座面を構成する小三角には
回 流 動 衝突 結合 分離 変化 無尽 生命 万種 人人 前進 逆向 滞留 錯綜 人流 生産 余剰 繁栄 格差 独占 支配 戦争 略奪 隷従 抵抗 逃散 奔流
大三角には
philosophy Curiosity LAW imagination passion RELIGION Sympathy
という語が作者により選ばれ彫り込まれている。
『奔流の椅子』は地球儀ならぬ世界儀を目指したものだ。
地球が「回」る=公転、自転することにより、この世のすべてのことは始まり、思いつくまま単語を小三角上に彫って行き、最後が「奔流」となった。
知ってか知らぬか、ままにされるか抗うか、いずれにせよ人は流れの中を生きている。ファッションの流行から、時代の流れまで。ほんの一時、世界儀の上に腰掛け、考えてよし、あくびしてもよしと思い作ってみた。